フロイトのムラゴンブログ

  • エッセイ 嘘ということ

    法華経を持ち出すまでもなく、ウソには様々な効用がある。芸術の中でも、小説という大きなウソがある。ドストエフスキーの小説が、どれほどの迫真力とリアリティを持ったものであろうと、それらの小説群がまったくの絵空事であるのは明々白々のことである。 フロイトだったと記憶しているが、科学の弱点は、真理に対して従順なことであると言っていた。科学万能の世の中では、真実ではないことは、そのまま悪ということになってし

  • 「海辺のカフカ」村上春樹 新潮文庫

    15才の少年が主人公です。猫と話せる中田さんも忘れがたい副主人公です。村上の文体には明るさがあります。これは、村上の確固とした人柄から直に来ているもののように感じられます。この「海辺のカフカ」では、フロイトやユングの深層心理学から得られた知見を十分に活用し、それを間然とすることのない物語に熟なして作り上げています。少年と中田さんの二つの物語が同時進行しますが、最後にそれが、古代文様の二匹のトカゲの

  • 「分析心理学」ユング みすず書房

    難解といわれるユングの著作の中でも、ユング心理学の初心者にはもっとも近づきやすい著作です。ユングの学問の骨格がほぼここに出揃っています。一般にフロイトの学問は精神分析学と呼ばれ、ユングのそれは分析心理学と呼ばれます。「一体に、心理療法家は何をしてもいいが、夢を分析することだけはしていけない」というユング自身の言葉と相反するようですが、ユングは自分の学問の根幹が分析心理にあることをじつによく知ってい

  • エッセイ きれぎれ草 6

    美しく貴重な感情には、礼儀の衣が欠かせない。       〇 形式は、法則というよりも礼儀に近い。       〇 俳句の五七五形式、季語は礼儀そのものと言える。                〇 読書は、レコード針とレコード盤の関係に似ている。 早く読み過ぎても、遅く読み過ぎても何も分からない。       〇 自然は人間に放心を許したが、社会というものは人間を放心させまいとする。       

  • 「人間知の心理学」A・アドラー 春秋社

    後に一家を成したフロイトの高弟アドラーの著作です。アドラーはあまり本を書いていませんが、優越感情や劣等感情など、今では常識になって使われている用語を発案した人物です。アドラーは名誉心や虚栄心などの過度の発達、いわば権力志向が、真の人間性をいかに損なっているかに注目します。人間知はいまだ、発達の途上にあることを指摘します。このアドラーの「権力志向」の考え方は、日本の森田療法では、「幼弱性」と名前を変

  • 精神分析学者 ジークムント・フロイトの防衛機制

    欲求不満や緊張状態から自分を防衛するために自動的に示される適応法 精神分析学者 ジークムント・フロイト 今年もはや 9ヶ月が過ぎようとしています。。。 今年の元旦の決意で人間(ホモ・サピエンス)について勉強すると宣言したものの、月日だけがただただ無為に空しく過ぎてしまっています(涙) 今日は精神分析学者のフロイト(1856-1939)について、ブログに書きながら勉強してみます。フロイトはオーストリ