• 「玉勝間」本居宣長 岩波文庫

    宣長が「古事記伝」を執筆する際、研究余録として書かれた随筆集です。内容は国学を中心として、諸事万般に渡るもので、宣長の興味教養や思考の幅がじつに広く、また深いものであったことを窺わせます。書中、尚古主義とは正反対の思考や弁証法的な論法をきれいに叙した文章などが見えます。また、孔子という人物はけっして傷付けずに、論語に文句を言っている箇所などは宣長の人物をあざやかに浮かび上がらせる秀抜な章です。徒然

  • 惟(ただ)、酒は量なし、乱に及ばず

     『論語』の「郷党」篇に孔子の食生活やお酒の飲み方など書かれていますので紹介します。  公の場でごはんは精白されたものを好んで食べていました。牛、羊、魚の生肉は細かくきざんだものがよしとされました。  ごはんが饐えて味が変わったものや魚のくずれたもの、肉の悪くなったものは食べられなかったようです。(現代では当たり前ですが、冷蔵庫が無かった時代、饐えたごはんを水で洗って食べたり糊を作ったりした人もい

  • 「論語」朝日選書 <最上至極宇宙第一之書>

    岩波文庫でも「論語」はありますが、わたしは朝日選書の方を選びます。言わずと知れた中国を代表する古典中の古典です。上掲の「最上至極・・・」の言葉は、江戸期の大儒伊藤仁斎が自注の稿本を改訂するごとに、巻頭に書こうかどうか迷った言葉で、結局、この言葉は削られたそうです。「論語」は孔子を中心とした言行録ですが、体系化され、組織化された儒教が成立する以前の、十分に現代に通用する偉大な知恵の書です。「己の欲せ

  • 吾日三省吾身

    「吾日に吾が身を三省す(われひにわがみをさんせいす)」という言葉、論語の言葉だが、書店の三省堂等で社名に使われている。一日に三つのことを反省するというのだ。 原文: 曾子曰:“吾日三省吾身,为人谋而不忠乎,与朋友交而不信乎,传不习乎? (吾日に吾が身を三省す、人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざることを伝えしかと。) 曾先生が言われた。 「わたしは一日に三点のことについて