葬儀のムラゴンブログ

  • なぜ葬式を行うのですか

    皆様は「お葬式はなんでしなければならないのか」という質問に答えられますか?お葬式とは故人の冥福を祈りお坊様を呼んで成仏を願い、家族や親戚とお世話になった人達で故人を供養して、あの世へ送り出す儀式だからと答えるかもしれません。 お葬式を行うことは、まず社会的な理由が挙げられます。儀式を行うためには市役所に死亡届を提出することから始めます。戸籍から名前が消え、火葬許可証が発行されて施工が可能になります

  • 葬儀会館にアレ出ますか

    テレビで心霊特番とか怪奇現象などの番組が流される季節になりました。葬儀会館の見学者の中にもこの部分を突っ込む方がおられます。「お葬式をしていない時の葬儀会館は不気味ですよね。やっぱり幽霊とか出るのですか?」答えは決まっています。「出ません」 死体が毎日運び込まれる場所ですから、気味が悪いと感じ幽霊に結びつけるのは解ります。幽霊の概念は日本だけでなく中国や西洋など全世界に広く信じられています。また陸

  • 永代供養は永遠ではない

    お葬式が無事に済み、火葬場からお骨を持ち帰る家族が次に考えることがあります。この遺骨を納める場所です。自分のお墓が用意してあるという方は少ないのです。高額の墓地使用料を支払い、自前で墓石を建立したお家は、その後、管理費を支払う限り永遠にお墓を使うことが出来ます。これを墓地の永代使用といいます。 しかし近頃は、お墓を守る継承者が見つからず、墓地管理が難しいご家庭も多くなりました。そこで永代供養墓と名

  • 『死ぬということ』

    みなさんはこれまでの人生で何回『人の死』に触れる機会がありましたか?人は生まれた瞬間から、死に向かってカウントダウンを始めます。この宿命だけは全ての人、命あるもの共通のものであり、決して避けることはできません。人が生まれてくる目的の一つに『心の声を聞く練習をする』ことがあると以前書きましたね。そして、今回もう一つ大切なことを伝えようと思います。 『死ぬということ』 人は肉体と魂の二つから構成されて

  • 院号に悩んだお婆ちゃん

    老衰で旅立ったお婆ちゃんの葬儀の打ち合わせに、マンションのお部屋に来ています。高齢で介護が必要になり田舎の実家から引き取る時に、このお婆ちゃんが持ってきたのは沢山のご位牌だけでした。ずらりと並んだ立派なご位牌にはすべて「院号」が付いています。亡くなった人に、お寺様が仏の弟子としての名前を与える戒名の中で一番品格が高いのが院号と呼ばれる極楽でのお名前です。 「こちらに来る時に家を処分したし、檀家であ

  • オヤジいい顔しているな

    「人はどんな死に方でも、死に顔は安らかで美しい」と書いてある本がありました。嘘です。長期に病気と闘い最期に力尽きてしまったお顔は、見るに堪えません。目の下にはくっきりと真っ黒なクマができ、頬はげっそりとこけて、瞼は開きっぱなしで白目をむきだします。老人専用の終末期病棟では誤嚥を防ぐために入れ歯を外します。口元がシワシワで人間の顔には見えません。口元を整えるために入れ歯を嵌めてあげたいのですが死後数

  • 骨壺だと気付かない骨壺

    「葬儀屋さん、これ良いでしょう」と差し出されたのは金属で作られた15センチ程の卵型の物体です。普通に見ると、芸術品か洒落たインテリアの置物だと思ってしまいます。「素敵な骨壺ですね」と答えました。 この頃はお墓が無いご家庭も多くなりました。納骨の場所を決めるまで、ご自宅にお骨を安置せざるを得ません。葬儀屋のお仕着せの白い骨壺を長期に置くことは、いつまでもお葬式の記憶が残ります。仏壇がない現代のモダン

  • 葬儀の簡素化は疑問です

    電話が鳴りました。「オヤジが亡くなったのだが、直送でやりたい」一瞬「またか」と心の中で思います。マスコミ等でお葬式の簡素化が良く取り上げられるようになり、会葬者を呼ばない「家族葬」から一切葬送の儀式を行わない「直送」と呼ばれる葬儀を希望する方も多くなりました。お葬式の内容を簡素にするのがトレンドだとか、お金をかけないのがスマートな方法などのマスコミの誘導で、お葬式は簡素化に向ってきています。 直葬

  • 夫婦は一緒に旅立ちたい

    婚姻届けを出した瞬間から、必ずどちらかが相手を見送る宿命を負います。私の仕事は夫婦の別離を目の当たりにする職場です。妻を送り出す夫は、責任感もあり葬儀の間はしっかりと喪主をつとめます。しかしその後ボロボロになり、壊れていきます。男は弱い生き物です。反対に、夫を送り出す妻は、葬儀後は皆様、生き生きとして必ず美しくなります。女性は夫を見送ってからが最高の人生が始まります。 夫の願いは、自分が先に旅立つ

  • ノートの最初のページに

    お葬式の打合せが始まりました。テーブルの上に故人が記入したエンディングノートが出されています。「葬儀屋さん、最初のページを見てください」喪主を務める息子さんが口を開きました。「失礼します」と手に取ります。めくったページには大きな字で「お葬式は〇〇葬儀社で行なう」と記入されていました。 終活ブームが起きてから、エンディングノートを記入する方が増えてきたようです。 自分が亡くなる前にしっかりと準備をし

  • 旅立つ人達が贈った物は

    テレビのコマーシャルに葬儀会場で、参列者が紫のスカーフやリボンを供養品として持って帰る場面が写ります。亡くなった故人の好きな色が紫色でしたというナレーションが入ります。素敵なコマーシャルだと、感じる方も多いようです。近頃の葬儀打ち合わせでは、故人の望みをかなえてあげたいと言う要望を良く聞きます。 家族や親戚の通夜式後の会食席に出張すし職人を呼び、にぎり寿司屋台を設置してまるで高級寿司屋のように注文

  • テレビドラマのあれ何か

    葬儀屋にはお葬式依頼以外にもいろいろな電話がかかります。「忙しいのに悪いけど、ちょっと教えてほしい。テレビドラマの刑事ものが好きで、よく見るのだが、捜査会議の場面で、殺された人の写真が置いてあって、その脇に白い造花みたいなものが飾ってあるけど、あれ、なんですか?」 「それは四華花(シカバナ「紙華花」「死華花」)といいます。お葬式で使う葬具の一つです。白い紙を竹串に巻きつけ、横に細かくハサミを入れて

  • 別れた妻に告げるお別れ

    お通夜の開式にはまだ数時間ありました。入り口に喪服を着た初老の男性が立っています。早めに着いたご親族様と思い声をかけました。「まだ、ご家族や皆様はこちらにいらしてません。お家の方に行かれますか?こちらで待たれますか?」 相手は口ごもります。「ご親族様ですか、ご友人かご近所の参列者の方ですか?」やっと口を開いて出た言葉は、予想もしなかった答えでした。 「ほかの参列者に会いたくない。誰もいない時間に、

  • 転校先は天国になります

    お手伝いが辛いお葬式があります。逆縁(ぎゃくえん)と呼ばれる親が子供を送る葬儀です。特にまだ小さい子が急に亡くなるお葬式は気が重い施行です。しかし、ご縁で繋がった仏様ですから、しっかりと送ってあげようと取り掛かります。逆縁のお葬式には、たとえ喪主でも親が火葬場に行ってはいけないという風習があります。子を失った親の心中を察してこれ以上苦しませないとの配慮で生まれたものです。 ですが、子供の最後を見送

  • この金額でお布施ですか

    ご寺院控室から出てきたスタッフが顔色を変えて私に近寄ってきました。「お寺様がすぐ来てくれと呼んでいます」なにかとても怒っている様子だと付け加えてきました。私の気がついていない粗相でもあったかなと考えながらお部屋に向かいます。「葬儀屋、この封筒の中身を見てくれ。ちゃんと、喪主に相場の説明をしておくように。あんたの仕事だろ」出された茶封筒を見てピンときました。お布施の金額が少ないのです。茶封筒には「御

  • よく見ると仏像は可愛い

    立派なガラスケースの中に20㎝程の数々の仏像が並んでいました。火葬が終わり、ご自宅にお骨を49日まで飾っておく「後祭り段」を組み立て始めました。今回のお葬式で喪主をつとめた娘さんとお話がはずみます。「すごいコレクションですね」「10年前に母を送った後、父が始めた趣味です。最初はお寺でもないのに辛気臭いから止めてと言い合いになりました。自分でコツコツと彫ったり、骨董市で買ってきたりして、だんだんと増

  • ダメな葬儀屋と交代する

    電話が掛かってきました。「葬儀屋すぐに来てくれ。このダメな葬儀屋と交代してくれ」相手は困惑と戸惑いを含んだ声で告げています。ただ事ではありません。とりあえず伺いました。玄関先にて電話で告げられたダメな葬儀屋が帰るところに出くわしました。知らない顔です。葬儀組合の会合でも見たことのない顔でした。 このお家では過去に葬儀を出した経験がなく、初めてのお葬式依頼でしたので、近頃皆様が良く行うネットの検索を

  • 般若心経を覚えましょう

    家族と親戚で20名程のお葬式での出来事です。お寺様が退席した後に一人の父親が「おいやって見せろ」と声をかけました。祭壇の前に出てきたのは小学4年生の男の子です。さっきまでお坊様が座っていた場所に着くと、おもむろに鈴を三回鳴らし、朗々と「般若心経」を唱え始めました。もちろん暗唱です。最後まで間違えることも、言葉に詰まることもなくお唱えを行い、締めに、ゴーンと打ちました。周りの親戚一同からは、一斉にパ

  • スマホが活躍の記念撮影

    お葬式は普段あまりお付き合いのない親戚一同が顔を見せ集まるイベントです。めったにない機会ですから告別式の前や、出棺する前、葬儀を終えた後などに親族が集まり記念写真を撮ることが良く行われます。昔はプロのカメラマンを葬儀会場に呼んで、祭壇の前で集合写真を撮る習慣がありました。 集合写真を撮る場合には、祭壇とご遺体を納めた棺の前で撮る場合が多いです。祭壇前に全員が立つと飾ってある遺影写真が隠れてしまいま

  • 緑の葉の名はなんですか

    病院で亡くなったご遺体をご自宅まで搬送します。お布団に寝かせて枕元に小さな祭壇を飾ります。枕飾りです。香炉、燭台、鈴、そして、花瓶に一本の樒(しきみ)を立てます。 この頃は、「その緑の葉っぱは何ですか」と尋ねられることがあります。「しきみ」や「しきび」と呼ばれるこの植物を始めて見る方も多いのです。中には「榊(さかき)ですね」と間違える方もおられます。樒と榊はどちらも常緑木で形や色などが似ていること

  • 病院ではこのように死ぬ

    終末期の高齢者が多く入院する病院があります。毎日のように、患者さんが亡くなります。当然、病院のスッタフは葬儀屋と顔見知りになります。 「患者さんが「ステる」ときは周りに誰もいない時が多いのよ」看護師さんが話し始めました。「ステる」の原語はドイツ語のSTERBEN⇒死亡、死亡した、の意味からきています。病院内では死亡という言葉を回診などの公の場で使うのを避けています。他の患者さんに解からないように暗

  • 家のお寺はどの宗派なの

    お葬式にお坊様を呼ばない「お寺離れ」がすすんでいるとマスコミ等では言われています。しかし実際は、親戚や参列者の手前、お寺の読経が無いお葬式は考えられないと思う方も多いのです。仏教は信じていなくても、御経を唱えてくれるお坊さんを呼ぶことで葬儀の安心感と達成感が出てくるのです。やはり、お葬式に読経と線香は付き物なのです。 葬儀屋は「ご宗派はどちらでしょうか」と最初に尋ねます。ところが始めてお葬式を行う

  • お通夜の夜にわかること

    お通夜の語源は、お釈迦様が入滅した時に弟子たちが師匠の死を悼み、説法を夜通し語り合ったことから「通夜」と言うようになりました。本来は家族と親族が一晩中、棺桶の傍で過ごすことから棺守り、線香番、夜伽(よとぎ)とも呼ばれています。 寝ずの番には「故人が極楽浄土に行けますように」との願いが込められています。線香の火を絶やさないのは、悪霊が故人に憑かないようにするためです。蝋燭の火は極楽の旅路の足元を照ら

  • お斎の作法をお話します

    葬儀会館ではお葬式だけでなく法事も行われます。法事では菩提寺のお寺様を呼んで読経を行い、参列者は焼香と合掌で故人を供養します。その後、お斎(おとき)と呼ばれる会食を行ないながら故人を偲ぶ時間が流れていきます。 お寺様が読経と焼香を行なう儀式のことを「法要」と呼び、法要の後の会食までを含めたイベントの場合は「法事」と呼ぶのが本来の意味に合った言い方です。 初七日法要はお葬式と同日に行う喪家様が大部分

  • なぜ死体はこんなに重い

    ほとんどの方が出棺の時に棺桶を持ちあげると、「エッ」というお顔をされます。指先にかかる棺桶の重さにビックリされるのです。たいして大きくないお婆ちゃんやお爺ちゃんでも、ご遺体になり棺桶に横たわると、結構な重さを感じるのです。 人は生気が無くなると体重がいっぺんに増えるように感じるのは何故でしょうか。 約百年前、アメリカの医師ダンカン・マクドゥーガル博士は死の直後の体重の変化を調べたそうです。医師が行

  • 納得の葬儀屋を選ぶ為に

    家族の死は突然来ます。ある程度覚悟していたと言われる方も、慌てふためきます。少し周りが見えてきて、やっと頭の中に現れるのが「お葬式」の言葉です。ひと昔前は、町内会や会社の総務課などが手伝ってくれましたが、現在のお葬式はすべてが葬儀屋を介して行われます。お葬式を行うご家庭を全面的にサポートする役割を果たすのが、葬儀屋の担当者です。一件落着した後に良いお葬式が出来たと思えるには葬儀屋の選択がとても大事

  • 挨拶は阿弥陀籤で決める

    高齢で施設暮らしの長かったお婆ちゃんには息子が4人いました。全員が独立して家庭を持ち、社会的地位もしっかり確立しています。当然、親戚関係も広がりますから、家族と親戚だけで行うお葬式も、結構大人数が集まることになりました。 長男が一応形ばかりの喪主をすることになりましたが、参列者を前にして挨拶をする、亡き母の近況報告と御礼挨拶を誰がするかで、兄弟間でひと悶着が起きました。 「当然、喪主をした長男がす

  • 秘密を守る公正証書遺言

    葬儀屋の窓口は、悩んでいる方の相談を受ける場所でもあります。終活ブームのこの頃では、自分の死んだ後に隠している秘密をどうやったら家族に伝えられるかを相談する人も出てきます。生きている今は、内緒にしておきたいのだが、死んだ時に暴かれて、家族が大騒ぎする前にしっかりと伝えておきたいなどの深刻な相談もありした。 例えば、隠し子とか隠し財産とか趣味の骨董品を入れてある隠しロッカーなどです。亡くなった後に家

  • 最期のお布団は川の字で

    享年40歳、仏様は若い母親でした。去年の夏の終わりに全身の癌が見つかり余命3ヶ月を宣告されました。クリスマスまで頑張ろう、お正月まで頑張ろう、節分まで頑張ろう、ひな祭りまで頑張ろうと本人は闘ってきました。今度は母の日まで頑張ると言っていましたが、ついに力が尽きてしまいました。 立礼で喪主のご主人の脇に、小学校4年生の娘さんが並びました。 昨夜、病院にお迎えに伺いました。ご自宅に搬送し、和室に寝かせ

  • 準備は書類記入で始まる

    病室で臨終を宣告した担当医がしばらくすると一枚の紙を手渡してきます死亡診断書です。この死亡の事実を証明する書類が無いと火葬許可証の取得が出来ません。この書類一枚からお葬式の諸手続きが始まります。受け取った死亡診断書はA3の用紙の右半分に記入してあります。広げると左半分が空白になっていて、空白部分を埋めると死亡届になるのです。 死亡届の記入はお葬式を行う喪主以外は出来ないと誤解している方が多いのです

  • 婆ちゃんが願う俱会一処

    皆様今見ているタイトルは読めましたか?高齢のお婆ちゃんがこの文字を書いた半紙を大事に胸に抱えて棺桶に入り旅立った理由は解りますか? 「くえいっしょ」と読みます。 佛説阿弥陀経の中の言葉です。「倶会一処」は「倶に一つの処で会う」と読み解きます。倶に(ともに)一つの処(ところ)で会うという意味です。亡くなって極楽に着くと、仏様、ご先祖様をはじめ、先に亡くなってしまった皆様に、同じ場所(一処)で再び会う

  • ご臨終の脇で慌てないで

    亡くなる方の9割が病院で息を引き取ります。担当医がベッドに寝ている身体を検査して「ご臨終です」と家族に伝えます。看護師さんがエンゼルセットを持って病室に入ってきます。ご遺体の身体を綺麗にすると「葬儀屋の手配は済ませましたか?早く運び出して下さい」と告げます。夜中だからとか、家族がそろっていないからなどは通りません。この時からお葬式の準備が始まります。「まだです」と答えると「出入り業者を紹介します」

  • 褒められる白骨になるぞ

    「まもなくお骨上げのお時間です」火葬場職員が収骨の案内を始めます。控室で待っていた家族と親戚が少しドキドキしながら火葬炉前に集まります。炉の扉が開き、中から綺麗に焼けた白骨が出てくると、皆様の口からため息のような吐息が出ます。悲しみで溢れたお葬式から、何か吹っ切れたような雰囲気になるのが、この骨上げの時間なのです。 現在の火葬炉は大きく分けて「台車式」と「ロストル式」の2種類があります。台車式は燃

  • お葬式は今日も雨だった

    先ほどまで、ポツポツと降っていた雨がお通夜の開式時間が近づくとやみました。まるで会葬者の皆様が濡れないように配慮したように感じました。お通夜が終わり家族だけが棺の周りを囲むころ、雨がまた強く降り出しました。最後のお別れを惜しむ故人の涙のようです。 翌日の告別式の日も、どんよりとした今にも一雨来そうなお天気でした。案の定、祭壇から棺を下ろしお別れの時間になると、ザーと夕立のような雨になりました。身体

  • 火葬炉は怖いと思う方へ

    火葬炉の前でお寺様が炉前勤行を行い職員が棺の乗った台車を炉内に押し込み始めます。ぽっかりと開いた炉内を全員が興味津々で覗き込みます。耐火煉瓦で出来た小さいトンネルの中は真っ暗です。炉の扉が閉まります。しばらくするとボッと着火音が響き、火葬炉全体がゴーゴーとうなり始めます。今、貴方は身体中を1200度の紅蓮の炎に包まれています。 火葬炉を覗いた大半の人は、底知れぬ恐怖感を感じるようです。 「私は、火

  • 娘の携帯で見つけた遺影

    「遺影写真を作る故人のお写真の探していただけますか」と打ち合わせの時に伺います。この頃は皆様、片手でスマホのアルバムを開き指先で探し始める場面が多くなりました。つい先日までは、遺影写真の原板を尋ねると、埃臭い厚手のアルバムを押し入れから引っ張り出して、全員で時間をかけて探し始めていたのです。 いざというときに結構皆様が戸惑う出来事が、遺影を作る故人のお写真を探し出す作業です。一人で正面を向いて笑顔

  • 愛猫を追ったお婆ちゃん

    保健福祉課から電話が入りました。身寄りの見つからない孤独死の連絡です。火葬するだけのお葬式に市役所の係員が1人だけ確認のために立ち会いました。訪問介護士が訪れた時には、お婆ちゃんは可愛らしい猫の写真の前で息が絶えていました。 「部屋がゴミ屋敷で片づけが大変なんです。猫のオシッコで部屋中が臭いんです。このお婆ちゃん可愛がっていた猫を先日亡くしたようなんです。多分、ペットの後を追って死んじゃったんだと

  • なぜ自殺をするのですか

    火葬手続きのために死亡届を受け取ります。右側の死因が記入されている場所に目を留めます。外因死の「自殺」にチェックがついているのを確認し納得します。打合せの時の家族の様子が、どうも、よそよそしく感じた原因が理解できたのです。 喪家様との話し合いは、老衰や病死などで亡くなった場合とは、まったく違う対応になります。自殺という通常では理解できない出来事に最初に驚愕が来ます。その後救いの手を差し伸べることが

  • 最後の風呂は家族の手で

    骨折から寝たきりになって数か月、温泉とお風呂が大好きなお婆ちゃんは、自宅の帰宅を最後まで望んでいました。残念ながら家には帰れず病院で息が絶えました。ベッドで看護師さんから清拭は受けていましたが、口がきける時は「温泉に行きたい」とせがんでいたそうです。 喪主様から湯灌の要望があり、オプションの湯灌専門業者を手配する予定でした。追加料金が5万から10万程必要です。業者は浴槽を積んだ特別な車で、ご自宅ま

  • 奥様に尋ねてみませんか

    横になっているお顔は微笑んでいました。初めてのデートの時に、待ち合わせの場所に相手が待っているのを見つけたときに、思わず出てくる微笑みです。見覚えのあるお顔に、そっと囁きました。「来世で奥様に再会できましたか」 最初の電話は「先月お世話になりました○○です。父も亡くなりました」でした。ひと月前に奥様を亡くし、落胆していた喪主様のお顔を思い出しながらお迎えの寝台車を走らせました。最愛の妻と死別した高

  • 生きている死体との対面

    「外国で死んだ息子を迎えに行ってくれないか」この電話が最初でした。税関検査の後に棺桶を取り変えるので、新しい棺を積み込み空港へ向かいました。海外からの遺体搬送は航空機を利用します。航空貨物では遺体保存にドライアイスが使用出来ません。遺体はエンバーミングという防腐処置を行ってから搬送します。さらに国際法では衛生上と密輸防止からステンレスの棺を使用しています。それを密封した状態にして、かつ外側を木枠で

  • たまには仏壇のお掃除を

    亡くなったばかりの仏様を病院からご自宅に帰します。安置は仏壇がある部屋になることが多いのです。葬儀屋は仏壇をチェックしています。打合せの時に、お寺を伺いますが、その前に仏壇を覗いておくだけで、お家の宗派が解かるのです。 「仏壇の扉は閉めるほうが良いのでしょうか」と聞かれることがあります。神棚は穢れを避けるために封じます。仏壇も同様にと考えた誤解がある様です。仏教は死を穢れと考えません。どの宗派のお

  • 火葬場で聞いたおめでた

    貴方は生まれ変わりを信じますか?仏教の死生観は輪廻転生(りんねてんしょう)で成り立ちます。輪廻転生とは死後、生まれ変わることです。初めての土地なのに、前に尋ねた記憶がよみがえる人がいます。小さい子供が生まれる前の記憶を話す事があります。又夫婦で可愛がっていたペットが奥さんの妊娠が解かると元気がなくなり、赤ちゃんの誕生前に旅立つという話もあります。 彼女は臨月の大きいお腹を抱えながら、納棺式通夜式と

  • 近頃霊柩車に気がついた

    皆様に質問します。近頃街中で霊柩車を見ましたか?ほとんどの方がこの頃見ていないなと答えるはずです。昔は霊柩車をよく見かけました。宮型霊柩車はその特徴的な外観から、遠くからでもすぐに分かりました。しかし現在は宮型霊柩車がすべて無くなり、代わりに目立たない外観の霊柩車が主流になりました。ひと目では気がつかなくなったので、見かけなくなったと感じられる方が多いのです。 昔の霊柩車は後部が祭りのお神輿で飾り

  • お墓の中を開けませんか

    お寺の境内にあるお墓の納骨に立ち会いました。通常、骨壺のご遺骨をお墓に納める納骨のお手伝いは葬儀屋の仕事にはありません。今回は先日の新仏様のご縁や、急な納骨袋の納品や、不要な骨壺を引き取って欲しいなどのお願いが重なり、急遽、立ち会うことになりました。お墓の中を覗くのは、私も久しぶりの経験です。 お墓には骨壷を設置するための納骨室(カロート)というものが内部にあります。通常、拝石(おがみいし)と呼ば

  • お雛様が周りを守る仏様

    雛祭りが近づくと思い出す仏様がいます。そのお婆ちゃんは老人会の人気者でした。お葬式は喪主の仕事の関係と親戚の集まれる日がその日しかなく、やむなく友引に行われました。友引は葬儀を行うのが嫌われます。理由は友人を冥途に連れていくとの迷信からです。出来るなら変更したかったのですが日程が合いませんでした。老人会のお仲間が慣習を気にされると申し訳ないと喪主様も気を使われています。 「友引人形を入れてあげまし

  • 小さな遺族の微笑みの時

    葬儀並びに告別式の閉式が告げられ、しばらく出棺前のお別れの時間が持たれます。お別れを告げる家族や親族の中には、小学校入学前のお子様が混じる喪家様も多くおられます。高齢の故人になると、ひ孫の参列も珍しくありません。これらの一番、かわいい年代の小さな参列者が、出棺前にハプニングのひと時を作り出すのです。 最後のお別れでお花を棺に入れていました。お孫さんは赤い花を手に取り、横たわっているお婆ちゃんの口に

  • お葬式を行なう理由とは

    葬儀会館の見学会に訪れる方や、当分自分は死なないけれど終活のために葬儀を知りたいと言う人が増えています。その方々の中には「高いお金をかけてお葬式をする理由が解らない」と質問される方もおられます。 皆様は何故お葬式をするかと聞かれたら何と答えますか。葬儀業界には、葬祭ディレクターという資格試験があります。公式テキスト『葬儀概論』には、お葬式を行う理由として「6つの項目」が提示されています。 1 社会

  • 仏様はそんなに持てない

    納棺に伺いました。枕元に入れて欲しい品々がずらりと並べてあります。「困ったな」と心の中でつぶやきます。ご遺体を棺桶に収める納棺時に、一緒に入れる品を副葬品といいます。打合せの時に市役所からの「火葬時における副葬品の禁止事項」の紙を参考に渡してありますがほとんどの方は気にしません。亡くなった家族にあれもこれも持たせて極楽に送りたいとの気持ちは良く解かります。ですが、仏様が持っていく品々には制限がある

  • お葬式に寺は必要なのか

    南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)の声とチーンと鳴る鐘の音、ポクポクと歌う木魚。お葬式のイメージを質問すると、ほとんどの方がこのように答えます。実際9割が仏式の葬儀で執り行われています。檀家の数を数えると日本人の大多数が仏教徒になります。しかし仏教徒なのに、お葬式でお寺様を呼ばなくなってきています。 「私は仏教いや宗教をすべて信じていません。お葬式に寺は必要ではありません」こう宣言をされる喪主様も着実

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