• サトリ

    昨日はディーヴァ―の007を少し辛めに書きました やはり、他人が書いたものを引き継ぐというのは難しいものです しかし、この人はさらっとやってのける その人の名はドン・ウィンズロウ 前に「ストリート・キッズ」で紹介した作家です これはトレヴェニアンという作家が書いた「シブミ」という作品の純然とした続編として書かれたものであり、かつ、完全なるドン・ウィンズロウ作品として仕上がっている レアケースです。

  • サイコ

    中高年の方だと「サイコ」といえば、アルフレッド・ヒッチコック監督、アンソニー・パーキンス主演の映画を思い浮かべることでしょう でも、このロバート・ブロックの原作は手に取ったことがないはずです ブロックは以前「激突!」のときに書いたリチャード・マシスンと並ぶ、ホラージャンルの名手です しかし、どちらかというと短編のイメージが強い 更には、スピルバーグ監督らの手によって映画化された「トワイライトゾーン

  • ツィス

    ある日突然、一定のリズムである音が聞こえる 一人の女性がそう訴えるところから物語は始まります そして、その耳障りな音が聞こえる人々が拡大し一大パニックに タイムトラベル小説の金字塔と言われる「マイナス・ゼロ」の作者の第二長編です これは割と現代でも同じようなことが起きるのじゃないかと案じさせる怖さがありますね 集団心理というのは恐ろしいものですから こういうことで人間心理につけ込み、コントロールで

  • 007白紙委任状

    イアン・フレミングが書いたジェームズ・ボンドシリーズは実は5冊ぐらいしか読んではいません 映画は見ましたが、ショーン・コネリー、ロジャー・ムーアまでで、それ以降、別な男優さんが演じたボンドはおそらく見ていません。 おそらくと言うのは見るには見たが、あまり記憶に残らなかった感じがするので なんだろう、正直スパイ物のシリーズがあまり好きではないのかもしれません さて、リンカーン・ライムシリーズがベスト

  • <転覆船から逃げ出した船長>

    NO1  <露営の歌~勝ってくるぞと勇ましく・・> NO60 <海ゆかば~海ゆかば 水漬く屍・・>   <杉野はいずこ 杉野はいずや...  <杉野はいずこ 杉野はいずや> 1日の深夜~中国長江で乗客400人余りを乗せた客船が転覆した。 乗客の安全を確保する責任者の<船長及び乗務員>が、多数の乗客を見殺しにして逃げ出した。 現在は~当局に身柄を拘束されて取り調べを受けているようだ・・ 19時のニュ

  • 火星の人

    火星はよく小説や映画の題材で使われる星です まあ、金星はガスで出来ているし、他の星は遠いから仕方ないかw 火星の人と言っても火星人を描いた小説ではありません これは友人火星探査が行われている時代に、一人のクルーが砂嵐に巻き込まれ、仲間たちや船とはぐれてしまうというサバイバルもの なかなかよくできていて、映画化も決定しているようです アメリカが火星には熱心でテラフォーミング化を計画するとかどうとか

  • 閉じた本

    異色ミステリーです 事故で両眼を失った主人公 大作家である主人公は自伝を口述筆記の助手として一人の青年を雇います そこから始まるストーリーなのですが、何が異色かと言うと 会話と独白でしか、この本は語られていないのです ミステリーなので詳しく語れないのがもどかしいのですが この二人の会話の中で、緊張感が生まれていきます 何かがおかしい 一つ、また一つと湧きおこる不自然なこと 果たして助手として雇った

  • 江戸入浴百姿

    拙著「湯船の姉弟」を書くときに資料とさせていただきました 絵も豊富で、江戸での風呂事情を楽しみながら知ることが出来ます 湯船の語源が、江戸時代本当に風呂桶を積んだ船が川べりで銭湯として商いをしていたと知ったのはテレビのクイズ番組でした。 以来、この湯船を商いとした男の物語を書いてみたいと、思い立ったのがきっかけでした 江戸の町はウォーターフロント、船を使っていろんな場所へ行けるというところも利点の

  • シリンダー世界111

    4年前に刊行されたSFミステリー シリンダー111はAIが作った宇宙ステーション そこで殺人事件が発生、主人公の女性捜査官が謎を解く と、まあ、ありきたりな設定で、読み終わった後の感想は正直「ふうん」レベルでした でもね、なんとなくあとからじわじわとくるのですよw この111には回転軸のところにアッパーグロウスという植物群が広がっており(まあ、ジャングルみたいなものか)その中に遺伝子工学でつくられ

  • 街の灯

    北村薫氏のいわゆるベッキーさん三部作の第一作 これは企画書までおこしましたが私の力不足でしょうか映像化に至りませんでした 昭和7年から始まり、11年の2月26日で終わるこの話 非常に映像化すると栄えると思うのですが プチミステリーとしても楽しめますし また、機会があればトライしてみようと思います 内容は、士族出身の上流家庭花村家、令嬢の英子の運転手としてやってきた別宮(べっく)みつ子 英子はその長

  • 血のケープタウン

    南アフリカの首都、ケープタウンを舞台に展開するバイオレンスサスペンス 悪いやつらがいっぱい出てきて、暴力に次ぐ暴力で しかし、ケープタウンって本当に治安悪いですねえ まあ、これは小説だけれども、金持ちが大きなフェンスに囲まれ、厳重に戸締りされた家に住んでいる様なんかを時折テレビで見たりしますが、本当にアフリカや中南米は治安が悪い 中日の外国人エルナンデスが、日本は日常で人が死なないのがいい 別にド

  • <口は一つ~耳は二つ>

    日経文庫~<マネージメントの名著を読む>より まえがき~名著を巡ることこそ<ビジネスの知の旅>となる・ 日本の第一線の経営コンサルタント・経営学者が、自身が推薦する<経営論・戦略論の名著>を独自の事例分析を加えながら紹介していきます。 組織のコミュニケーションで最も大切なのに忘れがちなのは <聞く>ということです。 <口は一つしかないが耳は二つある>のは聞くことの方が言うことより2倍大切だと言われ

  • 緑魔の町

    筒井氏の数少ないジュブナイル小説 これがなかなか面白いのですよ だいぶ昔NHKの少年少女ドラマシリーズで放送されていたそうですが、タイトルが変更になっていたようです(確かマッドタウンだったかな?うろ覚えですみません) たまたま地下室にいて侵略から逃れた主人公の少年が、野宿をするときに新聞紙を布団代わりにして、その暖かさを知る、なんて描写泣けてきますw 笑っているけどw 宇宙人をあかなめと称している

  • 通りすぎた奴

    9作からなる短編集 しかし、何と言っても名作は表題作 超高層ビル社会、人々は何万フロアもあるビルの中で暮らし、二日がかりで職場のフロアまでエレベーターで行き来したりします。そのためフロアによっては宿泊所があったり、エレベーター弁当、略してエレ弁なるものが売られていたりします しかし、人々の生活は至って凡々、そんな折、主人公は一人の変わった男と出会います 男はこのビルの階段を上って屋上を目指している

  • タイガーマスク

    いわゆる豆本です ある日突然妻からプレゼントされましたw そんなにタイガーマスクに思い入れがあったわけでもないのにw でも、良くよく考えてみたら漫画で読んだことがないのでいい機会でした 読みにくいけどwww 最初の頃は虎の穴が仕掛ける個性あふれるマスクマンとの対決 そして、タイガーの味方として登場するミスターゼブラ ミスターゼブラっていったい誰なんだとざわつく観客 そりゃあ、もう馬場でしょうよwジ

  • 殺意という名の家畜

    河野典生氏のデビュー作 とにかくタイトルにインパクトがあります でも、内容と一致しているかと言うとなんともw 更にミステリーの質としてもハードボイルドの質としても今読み直すといかがなものかと ただね、この人の文章、とてつもなくよいのですよ 心地よい話の運びがあるのです、内容が面白い面白くないじゃなくて ここに非凡さを感じたのか、当時のSFマガジン編集長の福島正実はSF世界に彼を引っ張り込んでいきま

  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    P・K・ディックの不朽の名作 難解な作品が多いディックの中では非常にわかりやすい作品 人間に紛れた脱走アンドロイドをバウンティハンターが狩りにいく話 この作品では生物がほとんど死滅した社会の中で人々は動物を飼うことをステータスとして生きています なので、ラストで主人公がヒキガエルを見つけるシーンはなんともいえない物悲しさというか、アイロニーと言うか、それに対応する妻の描写も何とも言えない雰囲気を醸

  • トリフィド時代

    SFの古典です この作品が生まれるまでSF小説はウェルズの「宇宙戦争」とかヴェルヌの「海底二万哩」とか、どちらかというとまだ少年少女向けと言う見方がされていたようです ただ、この小説が発表されてから見方が大きく変わり、SFと言うジャンルが大人にとっても楽しめるものであることを浸透させたのです トリフィドという架空の植物がこの本の世界には存在します これは3本の根で歩行することができ、長い触手を持ち

  • 新選組 手塚治虫

    手塚治虫氏の新選組昭和32年に発表された作品です 当時はまだ新選組が悪役だった頃らしく、あまり人気がでないまま途中で終わりにしてしまったそうです これは深草丘十郎、鎌切大作という二人の架空の人物が主人公 この二人が育む友情はなかなか爽やかで好感が持てます 漫画化の吾妻ひでお氏が昔手塚氏の絵を模写しようとしたところ一向に上手く描けず断念したということを別の本で読みました 吾妻氏曰く「手塚先生の絵は動

  • 死者の奢り・飼育

    大江健三郎を初めて読んだのは25歳を過ぎてからでした 何でその時まで読まなかったか?特に理由はありません ではどうしてその時読もうと思ったのか、今さら覚えておりません とにかく手に取ったのがこの本でした まず、表題作の一つである「死者の奢り」を読んで頭をぶん殴られました ガツンときました、本当に これが大学在中に書かれた文章だと!? 私が生まれる10年前にかかれたものだと!? そして「飼育」を読ん

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