• いろはカルタ 「京」 江戸と上方

     京の夢大阪の夢(江戸) 『夢の話をする前に唱える言葉。夢の中では、時間、空間をこえてさまざまなことが実現されるのでこういう。』   私は何か事があると   語りて益なき言は黙してこの経を念ずべし。   想うて益なき事は忘るるにこの経を稱(とな)うべし。   怒りて益なき時は笑うてこの経を誦(よ)むべし。  以上の言葉を呪文のように唱えることにしている。  不思議と心が落ち着き、人間関係がよい方へ

  • いろはカルタ 「す」 江戸と上方

     粋は身を食ふ(江戸) 『花柳社会、芸人社会の事情に通じて、「いき」なのを誇っている人は、いつのまにかその道におぼれて財産をなくし、身を滅ぼすことになる。』  昭和三十年代の初め、落語の人気が学生の間に広がった。その一人に「綴り方狂室」で一世を風靡した柳亭痴楽がいた。  落語界のトップにまで上り詰め思うにませた生活を送っていたが、晩年はその消息さえも分からないような終わり方をした。  昭和三十六年

  • いろはカルタ 「せ」 江戸と上方

     背に腹はかへられぬ(江戸) 『目前の重大事変のためには、他のことを犠牲にするのもやむをえないたとえ。』  いま日本は、重大な問題を多く抱えている。中国問題に始まり、韓国、アメリカ、北朝鮮と数え上げるにいとまがない。  国内では「消費税」「憲法」など生活に直結する問題が山積している。  外交にせよ内政にせよ今、日本は何かを犠牲にしてもやむを得ないという背に腹はかえられない状況にまで追い込まれている

  • いろはカルタ 「も」 江戸と上方

     門前の小僧習わぬ経を読む(江戸) 『ふだん見たり聞いたりしていると、習わなくても知らず知らずのうちにそれを学び知ることができる。』  母が口癖のように言っていたことがある。  「親のしないことは、子はしない」  本当だ。先日二歳の誕生日を少し過ぎた姪の娘が、玄関に下りて「ばあちゃんはやくはやく」と言いながら、ばあちゃんの履物を相手のはきやすい方向に揃えて手招きをしていた。  大人のすることを子ど

  • いろはカルタ 「ひ」 江戸と上方

     貧乏ひまなし(江戸) 『貧乏なため生活に追われっぱなしで、少しの時間のゆとりもない。』  暇を持て余す大金持ちと暇を持て余す貧乏人と大きく二つに分かれてしまった。  暇がないほど働く仕事があればまあ幸せの方になる。暇がないほど働いても貧乏な暮らしを強いられるか、働く仕事がまったくなく暇で貧乏な暮らしをしているかのどちらかである。  富裕層は有り余る金をどう有効に使うかで悩む。貧乏人は明日の飯をど

  • いろはカルタ 「ゑ」 江戸と上方

     縁は異なもの味なもの(江戸) 『男女の縁は不思議で常識では判断できないことをいう。』  うちのばっちゃんは、男と女をくっつけるプロであった。  八十八歳で亡くなるまで数えきれないほどの仲人をした。  私が小学生のころ、学校から帰ると我が家のお座敷に知らない女の人と男の人がばっちゃんを挟んで真面目な顔をして茶を飲んでいることが多かった。  小学生の私から見ても「これは成功しないだろう」と思っていて

  • いろはカルタ 「し」 江戸と上方

     知らぬが仏(江戸) 『知ればこそいろいろ妄念がおこるが、知らねば心も穏やかで仏のようにわだかまりがない。知ればこそ腹も立つが知らないので平気でいられる。 転じて、当人だけが知らずにのんきに構えているのを嘲っていう語。』  大学入試も会社の就職も当人の知らないところで親が確りと動いている場合がある。  そのことを知っていると、おぼっちゃんやお嬢ちゃんが、いっちょうまえの口を聞いて、世間の批判をした

  • いろはカルタ 「み」 江戸と上方

     身から出た錆(江戸) 『刀の錆が刀身から生ずることから、自分自身が原因となってした災い。』  どうしようもない親を持った子供は本当にどうしようもない。どうしようもない子供を持った親は難儀なことではあるが諦めがつく。  自分が育てた子どもであり、その子が育てた孫であれば自分自身の生き方や子育てに問題があったと思えば致し方のないことである。  諦めが肝心である。    無駄な抵抗  素直にやめた  

  • いろはカルタ 「め」 江戸と上方

     目の上のたん瘤(江戸) 『自分より位置や実力などが上で、何かにつけて邪魔になるもの。』  目の上のたんこぶとなる場合と憧れや尊敬になる場合とがある。  実力のある厳しい先輩に多く出逢ったが、目の上のたんこぶと思ったことは一度もなかった。  いつもすごい先輩だと驚きと尊敬の念で相手に接した。先輩から引き上げられてここまでやってきたように思う。  要は、相手との人間関係をどう作るかで、「たんこぶ」に

  • いろはカルタ 「ゆ」 江戸と上方

     油断大敵(江戸) 『油断は災害や失敗の原因であることが多いので人生の大きな敵である。』  「慣れ」と「思い込み」が、事故のもとである。特に高齢者になるほど「慣れ」と「思い込み」が車の運転や日常の生活で問題を起こしていることが多い。  私的な「慣れ」は、私的な問題で終わることが多いが、公的な慣れは組織全体の問題へと発展していく。  以前、教員採用試験で汚職事件がスクープされたが、これなど組織、いわ

  • いろはカルタ 「き」 江戸と上方

     聞いて極楽見て地獄(江戸) 『聞いては極楽のように思われるものも、実際を見れば地獄のようだという意。聞くと見るとは大違いがあって実際は想像よりひどく劣っている。』  昔懐かしい柳亭痴楽の落語「綴り方狂室」だったと思うが。 「・・・鶴田浩二や錦之介、あれよりぐんといい男、てなてなことを夢に見て、・・・聞くとみるとは大違い・・・」  昭和二十年代の花形落語家の容貌を思い出しました。  学校の進路指導

  • いろはカルタ 「さ」 江戸と上方

     三遍まわって煙草にせう(江戸) 『夜回りを三度してから休憩するの意。休むことは後回しにして、仕事に手落ちがないように十分気をつけよう。』  コンピュータ任せの安全管理が普及して、人の目や、手で確認をする安全確認がおろそかになった。  事故が発生して初めて人の目や手が入る。事故が起こって人の手や目がすぐに入ればいい方である。  コンピュータ任せで機械に頼っていると人の目や手がどう対応してよいのかわ

  • いろはカルタ 「あ」 江戸と上方

     頭かくして尻かくさず(江戸) 『一部の悪事や欠点は隠しているが、他の大部分があらわれているのを知らないさまを嘲っていう。』  姪の子どもが一歳半を過ぎたころ、かくれんぼで自分の目を小さな手で覆って隠れているつもりになっている姿は何とも可愛いものである。  世にいうブラック企業はいろんなことを隠していると会社側は思っているが、悪事や問題のあらかたは世間の知るところである。  頭も尻も丸出しというと

  • いろはカルタ 「て」 江戸と上方

     亭主の好きな赤烏帽子(江戸) 『烏帽子は黒塗りが普通であるから、亭主の好むことは、どんなに変わったことでも、家族はこれに従わなければならない。』  亭主に従うような家族は近年あまり見かけないようになった。 いや、ほとんど見かけない。家族はおのが向き向きに自分勝手に暮らしていることの方が多い。  それが戦前、戦中と戦後の大きな生き方の違いであろう。価値観の変化が亭主の位置を変えてしまった。  それ

  • いろはカルタ 「え」 江戸と上方

     えてに帆をあげる(江戸) 『よい時機を得て、得意になって事を行う。』  長い人生のうちには何度かチャンスがめぐってくる。  ただ、それがチャンスであることを受け止める力がなくチャンスを逃してしまう。  チャンスがいつやってきてもよいように日ごろから自分の能力を鍛え高めて準備をしておかなければなるまい。  仕事だけではない恋のチャンスも含めて人生に影響を与える節目を正しく受け止め積極的にチャレンジ

  • いろはカルタ 「こ」 江戸と上方

     子は三界の首枷(江戸) 『親は子を思う心のために自分の意志を曲げ、一生の間とかく自由を束縛されること。』  子どもがいるから何事にも少しばかり控えめにし、遠慮して謙虚に行動する。  子どもがいるから品格というものを考えて人格を磨こうと努力する  中には子どもがいても自分中心の身勝手なわがまま一杯の生活をしている親もいるが。  大体において子どもができると落ち着いた穏やかな生活が基本となるようであ

  • いろはカルタ 「ふ」 江戸と上方

     文はやりたし書く手は持たぬ(江戸) 『恋文を書きたいが、字が書けないのでできない、また、恥ずかしくて代筆を頼むこともできない。』  字が下手な私は恋文なるものを一度も書いたことがない。  幸いに電話の普及した時代で音声による意思疎通ができた。  声や話術には、そこそこに自信があった。学生時代に民放の放送劇団に籍を置き声優を目指して毎夜練習に出かけていた。  しかし、字のうまい友達に接すると羨まし

  • いろはカルタ 「け」 江戸と上方

     芸は身を助ける(江戸) 『一つの技芸にすぐれていると、困窮したときにそれが生計の助けになる。』  昭和三〇年代の初めに全盛を極めた柳亭痴楽の「綴り方狂室」を下敷きに三分程度の自己紹介をノミュニケーションの席で披露したものである。  その度に新しい人脈が広がり仕事が順調に進んだ。中でも印象に残るのは当時の市長の息子と縁ができ、よく飲み歌い意気投合して市長や教育長との人間関係も深まり、何かにつけて助

  • いろはカルタ 「ま」 江戸と上方

     負けるが勝ち(江戸) 『一時は勝ちを譲って、しいて争わないことが、結局は勝利をもたらすことになる。』  言ってわかる人は何も言わなくても相手の気持ちを正しく受け止めることができる。  そういう言って聞かせてわかる人は少なくなってきた。そんな人と論争をしても不毛の何の成果もみだせない時間つぶしになってしまうのが落ちである。  言って聞かせて分かる年齢は幼少期で特に3歳児ぐらいが一番相手の発言に耳を

  • いろはカルタ 「や」 江戸と上方

     安物買いの銭失ひ(江戸) 『値段の安いそまつな品物を買うのは、その品物が長持ちしないため、かえって高いものにつくこと。』  「私のこの上着、いくらに見える」  「相当したでしょう。万は超してるわよね」  「いいものに見えるでしょう。三千円よ」 今は技術の進歩で品質の良い安い商品が多く出回るようになった。  品質が良く、長持ちするそんな安い商品があらゆる分野で出回るようになった。この時代の変化にど

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