• 初恋と嫉妬 14

    経済効果100億円。 いや、200億円か? 最初に世間で言われ始めた時は、俄に信じられなかった。 その火付け役となっている女性。 その女性はと云うと、自身が先頭に立ってまとめ上げたという思いは微塵もなく、只々付属の携帯ストラップの生産現場の生産者に頭を下げて回り、臨時の雇用を増やすべく契約社員の増員の要請をこれまた低姿勢で行っていた。 何故ならば、凄い台数の予約になっているからだ。 生産台数が現在

  • 初恋と嫉妬 13

    容姿端麗な女性2人が、これまた眉目秀麗な男性4人を仁王立ちで睨み付けている。 「ねぇ、三条?何で俺まで睨まれなきゃなの?」 その言葉に、桜子は類を優しい眼差しで見る。 「類さんは、全く悪くありません。 優紀さんの件でも助かりました。 けど、世の中は連帯責任というものがありますでしょ? お仲間なのですから」 「えっ?俺も一括りにされてるの?」 「勿論ですわ」 にっこりと微笑む。 「う~ん、そうなの?

  • 初恋と嫉妬 12

    長い髪を後ろにきちんと纏め上げ、ダークグレーのスーツに身を包み、眼下に拡がる夜景を見下ろす後ろ姿。 それだけでこの広い空間に威圧感を起こせる人物。 その人物に異を唱えている人がいる。 「…ですが、お二人の仲に亀裂が入らないとも言いきれません。 現に今回も未遂で終わったから良いようなものを…」 「西田、全て本心で言ってませんよね?あなた、このような事態になることを予測していたのではなくて?」 「楓様

  • 初恋と嫉妬 11

    何が起こったのか理解出来ずに立ち尽くすこと数秒。 体が勝手に動き出す。 エレベーターの階数を示す数字がどんどん上がっていく。 非常階段を1段づつ跳ばしてかけ上がる。 牧野の自室としている5階に着く。 防犯扉を開けると、牧野が丁度部屋の扉を閉めるところだった。 どうやってここまで上がって来たのか分からないほど、フラフラしながら上の階に来た。 自分でも何だか分かんないよ…。 自室の扉のドアに手を掛ける

  • 初恋と嫉妬 10

    どっちにしょうか? いつものにした方が無難? それとも違う味をたまには堪能するのもいいよね? 「成宮さん、どっちがいいですかね?」 いつもはこっちで、こっちは新商品みたいで気になるんですよ。 つくしは上目遣いで聞き始める。 決して、誘っているのではない。 頼み事をするときや人に伺いを立てる時に自然に出てしまう、いわばつくしの癖のようなもの。 「そんなに凄く真剣な目で聞かれると、照れてしまいますよ」

  • 初恋と嫉妬 9

    扉の向こうから、俺が聞きたくて、聞きたくて堪らない声が聞こえてくる。 話しかけ、笑いかけている声。 俺ではない男に…。 どす黒い靄は頭の中を埋め尽くすと、タール、いやヘドロのような粘っとして硬くなり、こびりついて剥がれなくなる。 小さな隙間という隙間が埋められていくようで息苦しい。 高校生の頃には頭の中からその黒い何が漏れだして、自分にも他人にもその何がが覆っているようだった。 感情自体が覆い尽く

  • 初恋と嫉妬 8

    俺はイライラが止まらない。 何故だ? なぜ電話に出ない。(凄い数の着信となっているだろう) メールを送るが見た形跡がまるでない。 「おい、西田?アイツは何で携帯電話を持っているんだ?」 「外出時等に連絡を素早く取るためでしょうか?」 「メール機能は何で付けた?」 「会議や電車などで会話が出来ない時でも連絡が取れるようにですか?」 「アイツは何処だ?」 「牧野様は会社に居られます」 ますますイライラ

  • 初恋と嫉妬 7

    あー、もうこんな時間か。 つくしは肩を回し、首を左右にコキコキと振る。 この動作に可愛いと感じる人がいれば、マニアか何かか。 CMの撮影後は本業?(一応、まだ大学生)に専念したいが、ストラップの発注と、商品のチェック。CMが短期に終わるので雑誌に載せて貰えないかとか、写真集をなどと、いろいろな所から問い合わせがあり、対応だけでもかなりの労力を費やしている。 本業?はCMのエンドロールに協賛として株

  • 初恋と嫉妬 6

    司はじっと携帯のストラップを見つめている。 土星をモチーフにした形。そして、Tの文字。 後ろには"Tsukusi"と彫ってある。 これを渡した時は、恥ずかしそうに受け取っていた。 CM撮影までに急いで作らせた。何でかって? 日本中。イヤ、世界中にペアで付けていることをそれとなく公表するため。 大々的には今は無理だ。 俺的には今すぐにでも婚約者として発表したいところだが、ババァが牧野の仕事を理由にス

  • 初恋と嫉妬 5

    桜子の頭の中では、凄い早さでつくしの話している内容の整理整頓を行っているところだ。 時々、桜子の常識の範囲内から大いに外れてくるため、それはもうスーパーコンピューター並みに労力を費やしている。 今は妊婦で太らないように、極力甘いものは避けている。 しかも、カフェイン等もっての他と、妊娠が発覚してからは口にしていなかった。 先輩…。先輩も自分で何で道明寺さんを避けたいのか分からずにいるんですね…。

  • 初恋と嫉妬 4

    桜子にエレナの話をどう話せば良いのか悩む。 今は恋愛結婚しているとはいえ、一度は道明寺に恋していた人に話すんだもの。 それに、道明寺に好かれているというだけで、あたしが特別扱いされる。 良くも悪くも。 分かっていた。どうゆう事なのか頭の中では。 「エレナさんが先輩と道明寺さんのイチャイチャを見せつけられて、何か言ってきました?」 「ううん、エレナにはその時は言われてない…。てか、何でそう思うの?」

  • 初恋と嫉妬 3

    ここはつくしの会社の休憩室。 つくしのたっての希望で、ここは簡易な畳が敷かれている。 まずいところを見られて、顔があげれないつくしは、体育座りをして顔を下に向けている。 「桜子…、あたしって、みんなから見て、どう?」 いつものつくしとは違って、か細い声で聞いてくる。 「先輩、そうゆう質問はやめましょう。どうゆう返事をしても今の先輩は受け付けませんよ」 暫くの沈黙の後に桜子が口を開いた。 「現実に道

  • 初恋と嫉妬 2

    携帯電話に光が照され宝石のような輝きを放っている その周りを満たしているのはシャンパンゴールドの液体 無数の細かな泡が立ちあがっている 携帯電話のディスプレイが着信を報せる光を放ち始めると、辺りがいっそう目映い光に包まれ、一瞬画面が白くなる 次の瞬間、暗闇に流れ落ちる流れ星のように4つの光が(レッド、メタルブラック、シルバー、ゴールド)が流れる画面に変わる その先にF4が真っ白の背景の中に、黒のス

  • 初恋と嫉妬 1

    英徳学園在学中からF4として、アイドル以上の人気があり、その名は日本中。いや、世界的にも轟かせていると言われている。 そんな4人が勢揃いしたCMが流れると言うのだ。 日本のみならず、海外からも取材のオファーが殺到し、通常の業務もあるために取材は皆が揃っての合同の会見を開く等々、CM放送開始前から特集が組まれ、撮影のメイキング等々が朝や昼のワイドショーで取り上げられる。 まるで映画のプロモーションか

  • 彼女と仕事 25(R)

    「起きたか?」 あたしの胸元から顔を離した道明寺。 起こす為にわざわざ、ブラを捲り上げてこんな事してんの? 「寝たままのお前も可愛いが、やっぱり起きていて反応があった方がいいな」 そう言ったかと思ったら、胸を撫でたまま椅子の横に立つ。 優しく撫でてたかと思ったら、急に2本の指で先を押し潰してきた。 あっ、いゃ、はぁ…あぁ 道明寺が耳元で囁く。 囁くから余計に低い声が頭に響く。 「あのな、ここ完全な

  • 彼女と仕事 24

    「おっせーな、このエレベーター」 云うか否やエレベーターに蹴りを入れる男。 「アンタさ!もう少し大人になったと思ったらなによそれ!ちょっと、離して!」 繋がれていた右手を振りほどく。 近くにいるガードマンに愛想笑いをする。 「あー、笑顔が引きつる。心から笑う事が出来ないって良くないからね。心と体に」 エレベーターが開いたと思ったら中に放り込まれた。 「何すんのよ!ばっ……」 う、うふっ、うん…ふぁ

  • 彼女と仕事 23

    彼女に会える きっと会える あのサラサラの黒髪 漆黒の潤んだ瞳 細い手首 乳白色のキメの細かそうな肌 触れたい 抱きしめたい 暖めてほしい 今日は会えないと思っていた。 神様が贈り物をくれた。 優しい微笑み 手を振る仕草 自分だけにくれたんだ……。 誰にも見せたくないよ……。 「今日は1日ありがとうございます」 司は社長の楓に挨拶をと、秘書の西田に再三言われた為、楓の執務室を訪れている。 「それと

  • 彼女と仕事 22

    「もしもし、つくし」 "どうしたの?" 「何か、桜子ちゃんと滋さんから全然繋がらないって、連絡入ったからさ」 松岡優紀はベッドに横になりながら親友のつくしに電話を入れている。 "あっ、ごめんね…。相変わらずの充電切れでして…。そういえば、メール入っていたなって思ってONのしたら優紀からの電話って訳でさ" 「そっか。今、どこ?」 "自分の部屋?でいいのかな。何か、家族がいる1階が家って感じだけど、5

  • 彼女と仕事 21

    みんな。 ごめん。 できないや。 あたしを許して… 心配かけているのにね… 本当にごめんね。許してね… 許してくれるよね。あたしのこと… 優紀、 桜子、 滋さん。 そして、類。 ありがとうね。 あっちの世界へ旅立とうとしてます…。 意識か遠退く… …メール見ているけどさ、携帯持ったまま意識が飛んでいくのよ。 瞬きしたその瞬間から、渡邉さんが付けてくれているラジオの音が完全に消えていてね。 所謂寝落

  • 彼女と仕事 20

    トゥルルルルルル トゥルルルルルル トゥルルルルルル やはり、お出になられないか…。 もう、何回目のコールだろうか…。 受話器を置こうとすると、 "なんだ?" 良かった…。 お出になられて…。 「司様、ディナーはどちらで取られますか?」 "邸で構わない。牧野も連れてく" 「牧野様はご存じで?」 "俺が帰国したんだから一緒でいいだろ?" 「畏まりました。ですが…。あっ、さつき様?!」"ちょっと、変わ

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