• 三鞭酒(シャンペンしゅ)   日夏耿之介

     日夏耿之介詩集から「三鞭酒」という作品を紹介します。    三鞭酒ー又は流火の歌  良後(あたらよ)の天床(ふしど)に於ける片破星(かたわれぼし)は  夥しくこぼれし三鞭酒(シャンペンしゅ)の一滴にすぎず  微星(ぬかぼし)らの声音(こわね)を好む  神経質の笑ひにて  其存在を精密に高度(かうど)に知覚すべければ  詼諧(くわいかい)よ 衝動よ 慟哭(どうこく)よ 歓呼(くわんこ)よ  房心(

  • 時間の蛇

    時間の蛇 力を嵩にきて、卑劣な脳髄を持つもの。群猿 の王。その王の見えない杖。その杖に捲きつ いた時間の蛇。時間の蛇はらせん状に、しか し容赦なく群猿の王を滅ぼす。生死ともに時 間の恩寵なのだ。 時間の蛇が支配する世界。 群猿の王。蒼いそ の脳髄で、未来に餌を置い ている。目的化す る手段。偽りの口実。罠に かかっているとも 知らずに、すでに罠にかか っている群猿の王。 本来、生に目的などはな い